松村ナーセリーについて
昭和21年、東京都清瀬市の野菜農家の家に、松村ナーセリーの創始者 松村和廣が生まれました。終戦の翌年でした。世の中全体が貧しく困難な時代でしたが、農業高校へ進学し、園芸科を専攻し、家業の野菜の生産の傍らパンジーやシクラメンなどの花卉生産を始めました。
1970年代後半、市場で「クリスマスローズ」と言う美しい名前の花に出会いました。当時はとても地味な色で冴えない株姿のものでした。しかし、その素敵な名前と相反する姿の植物に興味を掻き立てられ、「自分がその名に見合った素敵な花に育種してみようじゃないか!」と購入したのが松村園芸のクリスマスローズの第一歩です。園芸植物としては珍しかったので、栽培管理、交配・増殖方法などは全て手探りでした。試行錯誤を繰り返し、徐々にクリスマスローズが販売ベースに乗るようになり、今では松村ナーセリーの主力商品になっています。
育種が進むにつれて、耐寒性が強い冬咲きの植物として、クリスマスローズの人気は年々高まってきています。1月2月の園芸雑誌には必ずと言って良いほど特集記事が組まれるようになりました。クリスマスローズの中でも、 ガーデンハイブリッド系の育種はとても盛んで、欧米や日本全国に魅力的なオリジナル交配種を作り出す育種家が存在します。一方「クリスマスローズ有茎種」と呼ばれる系統は、育種が進まず地味な姿のものばかりでした。松村園芸では、その有茎種の美しさと可能性に着目し、2007年からカラーリーフとしての育種を本格的に開始しました。葉の形、斑の模様、色の変化、花の色形など様々な角度から「葉もお花も楽しめるクリスマスローズ」として、オリジナル品種を作出しています。1年目の小さな苗は、葉をメインにギャザリングやリースなどの寄せ植えに、2年目以降は庭植えや鉢で育ててダイナミックな株姿を楽しむこともでき、用途の幅も広がりました。
育種交配の目標は、『冬の枯葉ばかりの世界を、クリスマスローズでカラフルに!』、そして、クリスマスローズに興味が無かった人にも気軽に楽しんでいただけるよう、新しい耐寒性カラーリーフとしての世界を開拓中です。
これまでクリスマスローズを通して、植物に関わる人々と数えきれないくらいの繋がりが出来ました。花の持つそのものの魅力と、そこから生まれる素敵な出会いに感動し驚かさせる事ばかりです。そして「日本中、世界中の人にも『クリスマスローズ』によってより深い人生を送っていただきたい」と想いを込めて生産に取り組んでいます。こらからも、オリジナリティを追求しながら、世の中のトレンドやニーズに合わせた生産者でありたいと日々努力します。
今後も松村ナーセリーをご支援いただきますようよろしくお願い致します。